350年以上の伝統を守るために新しい風を起こす!ヤマサ醤油・冨成浩静さんに迫る【ちょうし人004-2】

江戸しおり / 2018.07.31

「美味しいものを伝えるツールとしてヤマサ醤油を活かしたい」と同時に、「美味しいものを通してヤマサ醤油の良さを伝えたい」。前回は、銚子のキャベツ、名物のぬれ煎餅、ヤマサの醤油を使った「ぬれ煎餅焼きそば」でその想いを実現しようとしている冨成浩静さんにお話を伺いました。

今回は、そんな冨成さんが関わる新しいブランドに迫ります。冨成さんが「ヤマサからの脱却」と表現するそのブランドの役割や想いとは。


冨成浩静さん(37)
愛知県岡崎市出身
高校までを岡崎市で過ごし、大学時代を北海道で過ごす。
2004年ヤマサ醤油株式会社入社。開発、技術営業職を経て再び開発職に配属され、売店に立ちながら新商品の企画・開発に携わってきた。

ぬれ煎餅焼きそばから生まれた「ソヤノワール」


売店に立ってお客様とコミュニケーションを取るからこそ聞こえる生の声を、美味しくなるためのヒントと捉え、ぬれ煎餅焼きそばと向き合ってきた富成さん。発売以降も改良が続けられ、現在のものになるまでに半年ほどかかったそうです。

改良を続ける中で、特に変化させてきたものが焼きそばの調味液。最初の頃はソースと醤油を割ったようなものを使ったり、アオサ入りの醤油を使ったりしていましたが、ある時「醤油工場なんだから、シンプルに醤油でいいじゃないか!」と気づいたとか。こだわりすぎるあまりに迷走していた時期を乗り越え、焼きそばを美味しく食べるための醤油レシピにたどり着いたそうです。

現在ぬれ煎餅焼きそばに使われている調味液は、「ソヤノワール」というヤマサの商品。旨み成分が一般的な醤油の1.5倍以上も詰まっているこの商品は、ステーキ肉や青魚など、特に味の強い食材の旨みを抜群に引き立ててくれるそうです。



ぬれ煎餅焼きそばを食べたお客様から「味つけしている醤油が欲しい」という声が頻繁に上がるようになり、商品化に至ったソヤノワール。「売店で食べてもらうことで、お客様のニーズがわかる。この売店のメリットは、そういったモノづくりができることですね。」と冨成さん。

同様に、売店で販売している「銚子さばつみれ汁」に使う手作りのつみれも、現在は業者にレシピを渡して作ってもらっているなど、地元企業とのコラボも進んでいるそうです。

ヤマサからの脱却?新たな銚子ブランド「ORIENT WINDMILL」とは


冨成さんは、銚子発・味覚発信プロジェクト「ORIENT WINDMILL」(オリエント ウインドミル)のリーダーでもあります。「銚子から発信する」「今までのヤマサ醤油にとらわれない」をコンセプトとしており、売店でもオリエントウインドミルマークのついた商品が販売されています。



現在販売されているオリエントウインドミルの商品には全て関わっているという冨成さん。「今までのヤマサブランドにとらわれない新しいブランド、銚子ブランドといえばあのマーク、みたいなものが作りたかったんです。」とプロジェクト立ち上げの経緯を話してくれました。

ぬれ煎餅焼きそばもオリエントウインドミル第一弾の商品として発売されたもので、売店から生まれた「ソヤノワール」も「銚子さばつみれ」ももちろんオリエントウインドミル。

「オリエントウインドミルのマークを見て、これなら美味しい、間違いないと思われるようなブランドになっていくことをイメージしています。ある意味では、ヤマサブランドからの脱却ですね」

「ヤマサブランドからの脱却」という言葉は、何よりもヤマサへの熱い思いがあるからこそ。

「ヤマサブランドの伝統である『革新の連続』を守るためにも、新しいことをどんどんしていかなくてはいけないと思っています。
変化がなければ、あっという間においてけぼりになってしまうので。思いついた瞬間に動くという意識を常に持っています。」と話してくれました。

これからどんどん認知度が高まっていくであろうオリエンタルウインドミル。その時に、「うちもこのマークをつけて商品を作りたい!と業者さんが思ってくれたら嬉しいです」とも。これから、地元企業とのコラボもより増えていくのではないでしょうか。

さらに、「ヒット商品を生み出す!と気負うことはあまりありません。それよりも、自分が美味しいと思うものを真摯に作り続けることで、お客様にも伝わると思っています。だから、まずは美味しいと思えるものを作る。ヒットするかどうかはあくまで結果なので。」と話す冨成さん。

その過程で、美味しいものを届けるツールがヤマサの醤油であってほしい。ヤマサの醤油を使ったものが、「美味しい」と感じてもらえる瞬間を最後まで見届けたい。そんな想いを熱く語ってくれました。

冨成さんが手がける新商品に出会える日も近い!?




実は冨成さんは、2017年秋から再び営業職に戻っています。しかし、通常は東京都内での勤務となる営業職にも関わらず、「営業本部 特販営業部 特販3課 主任 “銚子駐在”」という異例の人事で、現在も銚子を拠点に仕事をしています。

奥様と2人のお子さんとともに銚子で生活する冨成さん。最初に銚子にきた時は「海のまち」「醤油の匂いがする」、「のんびりしている雰囲気」という印象を受けたそうです。「もともと都会の雰囲気は苦手なので、営業時代の2年間で東京生活はお腹いっぱい。銚子のほうが性に合っているし、休日は釣りやサーフィンも楽しんでいます」とすっかり銚子人です。

「のんびりした雰囲気に浸かっているから、仕事のペースも落ちちゃったのかな。ペースを上げて、これまで寛容に仕事をさせていただいた会社に、早く恩返しをしなければ…汗」と笑っていましたが、すでに10種類以上もの新商品のアイデアをためているそうです。売店で新たな商品に会えるのももうすぐかもしれません。

また、開発、営業の傍ら、不定期で売店に立ったり、銚子市内のイベントに出店されたりすることもある冨成さん。運が良ければどこかで会えるかもしれません!冨成さんの愛情がたっぷり詰まったぬれ煎餅焼きそばを食べに行ってみては?

(聞き手・佐野明子 / 文・江戸しおり)

ヤマサ醤油株式会社
本社 〒288-0056 千葉県銚子市新生町2-10-1
工場見学センター TEL:0479-22-9809(8:30~16:50 年末年始を除く)
本社庶務課 TEL:0479-22-0095(8:30~16:50 土日祝・お盆・年末年始除く)
※ぬれ煎餅焼きそばの販売時間は11:30~14:30です。
 臨時休業の場合もあるので、電話でご確認ください。


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