人とものとが交差する場所を目指す!『C’s marina』宮内沙織さん

宮内さん(右)とちょうしフラット通信編集部メンバー

2018年12月末にプレオープンした、『C’s marina Kitchen&cafe(シーズマリーナ キッチンアンドカフェ)』。
千葉科学大学に隣接しているため、大学生のためのおしゃれカフェ?と思うかもしれませんが、実はそれだけではないんです!

前編では、銚子の新たな交流スペースとしても期待が高まるC’s marinaのディレクター・宮内沙織さんに、生い立ちやC’s marinaオープンに至る経緯を伺いました。後編では、C’s marinaのコンセプトや目指すことを伺っていきます。

宮内沙織さん(37)
銚子生まれ銚子育ち
匝瑳高校(現 匝瑳市八日市場)卒業後、栄養士を目指して神奈川の短大へ進学。
卒業後は栄養士として病院に勤務した後、旅行会社やNPOの事務局に勤めるなど、さまざまな職を経験。
ワーキングホリデーを利用してカナダを訪れたり、お遍路に行ったり、異色の経歴も持つ。
2018年8月に銚子ビールの佐久間快枝さんと『銚子チアーズ株式会社』を立ち上げ、現在は千葉科学大学マリーナキャンパスに隣接する『C’s marina Kitchen&cafe』のディレクターを務めている。

C’s marinaのコンセプトは『セカンドキッチン』

C’s marinaのコンセプトを訊ねると、「セカンドキッチン」という答えが返ってきました。

「スタバはサードプレイス(自宅でも職場・学校でもない、居心地のいい第三の場所)と言っていますが、私たちは『セカンドキッチン』。お家のお料理が一番のご馳走で落ち着くと思うんですけど、C’s marinaは、家と外食の間にある存在でいたいんです」と宮内さん。

C’s marinaは大学に隣接しているので、親元を離れて全国から集まってきた学生がいます。親御さんたちは、息子、娘がちゃんと食べているか心配。「ちゃんと食べてるの?」「大丈夫!」と言いながら、コンビニ弁当やカップラーメンを食べている学生もたくさんいるはずです。

そんな学生たちに、「ただいまー!腹減ったー。」「今日は何があるの?」「じゃあここで食べるよ!」…そんなコミュニケーションがなされていたら、親御さんもきっと安心できる。C’s marinaが学生たちにとって、安心できる場所、ただいまと言って帰ってくるような場所でありたい、と宮内さんは願っています。

「自分の家で過ごしてきた時間と、社会に出てからの長い時間。その間にある、短いけど大事な時間を預かる気持ちで、セカンドキッチンとしてやっています」と話してくれました。

もちろん、学生だけでなく、観光客、市民も一緒に交流できる場所になればとの思いがあるそうです。

毎日メニューが違う!レシピがないことが一番のこだわり

ある日のヘルシーランチプレート

宮内さんには憧れのレストランがあると言います。それが、アメリカの西海岸にあるレストラン『シェパニーズ』。レストランがある町はオーガニックの聖地でもあり、オーガニック野菜を育てる農家さんが多くいたり、学校教育で農業の現場を見せたりしているほどだとか。

外食産業は、メニュー先行型で食材は後から考えますが、シェパニーズは朝届いた野菜を見て、そこからメニューを作る素材ファースト型。

「テレビで見て、『これだー!』って衝撃が走ったんです」と宮内さん。

だから、C’s marinaにもメニューはありません。

農家さんが持ってきた野菜を見て、「こういう食べ方が美味しいよ」と教えてもらった知識を合わせて、朝の宮内さんのインスピレーションでその日のメニューが決まります。

「毎日メニューは違うし、気分で味付けも違う。レシピがないんです。栄養士なのにね」と笑っていましたが、グランドオープン(4/3の予定です)したら定番のメニューもいくつか作るそうです。

ある日のヘルシーランチプレート

地元の素材を使ったパンケーキもおすすめ!

14〜16時だけ、1日8〜12食限定のパンケーキも人気とのこと。

地元の素材を大切に、農家さんの米粉、有精卵を使い、お砂糖は控えめ、素材の味がしっかり感じられるパンケーキです。

「命をいただくパンケーキを作りたいと思って作りました。今すごく喜んでもらっています」とのこと。

グランドオープンしたら時間問わず提供できるようになるそうなので、楽しみですね!

サンデーも気になります!

人とものとが交差する場所を目指す!

宮内さんのお母様のピアノが置かれているので、コンサートをやってもいいし、広いので大勢のワークショップもできる。子供たちが走り回ってもいいので、子供連れのワークショップもOKと、C’s marinaはカフェだけの機能にとどまりません。

実際、昨年の大晦日には店内の一角でライブや動画配信をしながら、平成最後の大晦日の夕日を見るイベントも行われました。

また、最近は週に1〜2日、農家であり野菜ソムリエの石毛麻里子さんが、自分の畑から持ってきた野菜をオリジナルのレシピで調理しています。

そんな風に、農家さんの持ち込みでもよし、今すでに店を持っている人がワンデイシェフをやって自分のお店の集客に繋げるもよし、そんなシェアズキッチンにしたいとの思いもあるとか。

「そうすることで『みんなで使いましょう』という風になって、C’s marinaが、人とものが交差する場所になっていけばいいなと思っています」

さらに、宮内さんたちは、みんなの物をみんなで売れる組織『銚子シェアーズ』を作ろうとしています。

生産者さん、事業者さん自身がイベントに出てしまうと、商品の製造が追いつかない。でも売るために営業はしたい。そんなジレンマを抱えている方々の商品を、銚子チアーズがみんなでシェアして、代わりにイベントに出るような取り組みをしていくとのこと。

参加している事業者さんの商品はすでにC’s marinaでも販売されています。

「今後はさらに事業者さんを増やしてきたい。オール銚子でみんなでやって行くのが必要だと思っています」

「銚子のことは今はすごく好きです。でも、銚子のために頑張っているとか、銚子を盛り上げるために、みたいな大きな志はなくて、自分が住みやすい場所を拡大していくだけ。いずれこれが銚子を盛り上がることにつながればすごくハッピーだとは思ってるんですけどね。
自分がここに住むと決めたからには、自分が銚子をカスタマイズしてしまえ、と思っています」と、今では銚子が大好きだという宮内さん。C’s marinaだけでなく、宮内さん自身の銚子での活動にも注目です!

(聞き手・地下玲菜/文・江戸しおり)

C’s marina

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